屋根葺き替えの全プロセス:計画からメンテナンスまで

屋根の葺き替えは、家の耐久性や美観を保つために重要なプロジェクトです。しかし、さまざまな選択肢やコストが関わるため、どのように進めるべきか迷うことも多いでしょう。このガイドでは、屋根葺き替えの全ての側面について詳しく説明し、最適な選択をするための参考にしていただけます。

屋根材の選択

 
屋根材の選びは、耐久性、美観、コストなどの観点から慎重に検討する必要があります。以下に代表的な屋根材の特徴を表にまとめました。
 
材料
長所
短所
平均寿命
アスファルトシングル
価格が手頃、施工が簡単、多様なデザイン
寿命が短い(約20年)、強風や台風に弱い
20年
金属屋根
耐久性が高い、火災に強い、リサイクル可能
初期費用が高い、雨音が大きい
50年
粘土瓦
美観が良い、耐久性が高い、断熱性が高い
重量が重い、施工が難しく費用が高い
100年
セメント瓦
粘土瓦よりも軽く、価格が手頃、美観が良い
耐久性が劣る、色落ちしやすい
50年
スレート
美観が良い、耐火性がある
割れやすい、高価
75年
合成樹脂瓦
軽量、施工が簡単、耐久性がある
紫外線に弱く、劣化が早い
30年
ガルバリウム鋼板
耐久性が高い、軽量、耐食性がある
初期費用が高い、デザインのバリエーションが少ない
40年
 

気候に応じたおすすめ材料

 
日本は四季があり、地域ごとに気候が異なるため、屋根材の選択もそれに応じて慎重に行う必要があります。
 

北海道・東北地方

  • おすすめ材料: 粘土瓦、ガルバリウム鋼板
  • 理由: 厳しい寒さや雪に強く、断熱性の高い粘土瓦や耐食性に優れたガルバリウム鋼板が適しています。

関東地方

  • おすすめ材料: スレート、アスファルトシングル
  • 理由: 温暖な気候に適し、台風や強風にも比較的強いスレートやアスファルトシングルが適しています。

中部地方

  • おすすめ材料: 金属屋根、セメント瓦
  • 理由: 四季の変化がはっきりしているため、耐久性と美観を兼ね備えた金属屋根やセメント瓦が適しています。

近畿地方

  • おすすめ材料: アスファルトシングル、合成樹脂瓦
  • 理由: 比較的温暖な気候で、施工が簡単で軽量なアスファルトシングルや合成樹脂瓦が適しています。

九州・四国地方

  • おすすめ材料: ガルバリウム鋼板、金属屋根
  • 理由: 台風が多い地域で、耐風性に優れたガルバリウム鋼板や金属屋根が適しています。

沖縄地方

  • おすすめ材料: 金属屋根、ガルバリウム鋼板
  • 理由: 高温多湿で台風も多いため、耐食性と耐風性に優れた金属屋根やガルバリウム鋼板が適しています。

 

屋根葺き替えのコスト

 
屋根の葺き替えにかかる費用は、使用する材料や施工会社、地域によって大きく異なります。以下に、各材料の価格範囲と日本各地の平均費用をまとめました。
 

材料別の価格範囲(1平方メートルあたり)

 
材料
材料費
施工費
合計費用
アスファルトシングル
¥2,000 - ¥4,000
¥3,000 - ¥6,000
¥5,000 - ¥10,000
金属屋根
¥4,000 - ¥7,000
¥5,000 - ¥8,000
¥9,000 - ¥15,000
粘土瓦
¥3,000 - ¥6,000
¥4,000 - ¥7,000
¥7,000 - ¥13,000
セメント瓦
¥2,500 - ¥5,000
¥3,500 - ¥6,500
¥6,000 - ¥11,500
スレート
¥5,000 - ¥10,000
¥6,000 - ¥9,000
¥11,000 - ¥19,000
合成樹脂瓦
¥3,000 - ¥5,500
¥4,000 - ¥6,500
¥7,000 - ¥12,000
ガルバリウム鋼板
¥3,500 - ¥6,500
¥4,500 - ¥7,500
¥8,000 - ¥14,000
 

地域別の平均費用

 
地域
平均費用(円/平方メートル)
東京
¥8,000 - ¥15,000
大阪
¥7,000 - ¥14,000
名古屋
¥6,500 - ¥13,000
福岡
¥6,000 - ¥12,000
札幌
¥7,500 - ¥14,500

 

工事会社の選択

 
屋根葺き替えの工事会社を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
 

経験と実績

  • 過去の施工例を確認:会社のホームページや口コミサイトで過去の施工例を確認し、技術力を見極めましょう。
  • 業界での評価:業界団体に加盟しているか、または優れた評価を受けているか確認します。

見積もりと契約

  • 複数社からの見積もり:必ず複数の施工会社から見積もりを取り、価格や提案内容を比較検討しましょう。
  • 詳細な契約内容:契約前に、施工内容や保証期間、費用などの詳細を確認し、書面で明記してもらいます。

アフターサービス

  • 保証内容:施工後の保証内容が充実しているか確認しましょう。通常、5〜10年の保証が一般的です。
  • 定期点検:定期的な点検やメンテナンスサービスを提供しているかも重要です。

 

屋根葺き替えの時間と流れ

 
屋根の葺き替えをスムーズに進めるためには、適切な時間と計画が必要です。
 

時間の選択

  • 天候の影響:梅雨や台風シーズンは避け、天気の安定している春や秋に計画するのが理想的です。
  • 工事期間:屋根の大きさや複雑さにより異なりますが、通常1〜2週間程度の工事期間が必要です。

工事の流れ

  1. 事前調査:既存の屋根の状態を詳しく調査し、必要な修理箇所を確認します。
  2. 材料選定:使用する屋根材を決定し、必要な材料を発注します。
  3. 古い屋根の撤去:既存の屋根材を取り外し、屋根下地の状態を確認します。
  4. 新しい屋根の施工:選定した材料を使用し、新しい屋根を施工します。
  5. 仕上げと点検:施工後の仕上げを行い、最終点検を実施します。

 

保証とメンテナンス

 
屋根の葺き替え後も、適切なメンテナンスと保証が必要です。
 

保証内容

  • 施工保証:工事会社が提供する保証で、工事の欠陥が発生した場合に適用されます。
  • 材料保証:使用した屋根材のメーカーが提供する保証で、材料自体の不具合が発生した場合に適用されます。
 

定期点検とメンテナンス

  • 定期点検:年に一度の定期点検を行い、屋根の状態をチェックします。
  • メンテナンス:小さな損傷や劣化が見つかった場合は、早めに修理を行い、長期的な耐久性を維持します。
 

メンテナンス

  • 落ち葉やゴミの除去:屋根や雨樋に落ち葉やゴミが溜まると、排水不良や腐食の原因になりますので、定期的に清掃しましょう。
  • 塗装のチェック:屋根材によっては、定期的な塗装が必要です。塗装の剥がれや劣化をチェックし、必要に応じて再塗装を行います。

 

引用サイト

  1. https://yanekabeya.com/yanezai/
  2. https://rehome-navi.com/articles/675